民謡「越中おわら節」
[編集] 来歴
この民謡の起源については諸説ある(「お笑い節」説、「大藁節」説、「小原村発祥説」など)。その唄はキーが高く息の長いことなどから、島根県出雲地方や熊本県牛深市の「ハイヤ節」など、西日本の舟歌が源流になったものとの指摘があるが(長田・千籐編著、1998年、10頁)、長い年月を経るとともに洗練の度を高め、今日では日本の民謡のなかでも屈指の難曲とされている。
明治30年代後半のレコード創成期以来、全国各地の俗謡が次々とレコードに吹き込まれるようになって、民謡の洗練化の動きは加速していった。同時に、各地で開催されるようになった民謡大会、さらにはその全国大会などによって、それまで一地方の俗謡にすぎなかった曲が、全国的に知られるようになっていった。おわら節も1913年(大正2年)に初めてレコードに吹き込まれ、民謡大会でもよく知られる民謡となった。
さらに、今日のおわら節が完成されていく過程で、さまざまな唄い手の名手がいたことを忘れてはならない。なかでも、「江尻調」といわれる今日のおわら節の節回しを完成した江尻豊治(1890年 - 1958年)の功績は計り知れない。天性の美声、浄瑠璃仕込みの豊かな感情表現。おわら節の上の句と下の句をそれぞれ一息で歌い切る唱法は、江尻によって完成の域に高められたのである。
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